社内から「それってAIで作れないの?」と言われたらどう答える?注意したい落とし穴

「それAIで作ってよ」という無茶ぶりに困っていませんか?AI画像のメリット・デメリットや、社内で共有すべき注意点をまとめました。
はじめに
サイト制作やリニューアル、日々の更新業務の中で、画像やイラストを使いたいシーンは意外と多いものです。
例えば:
- 新商品の紹介ページを作るとき
- イベント告知のバナーを用意するとき
- サービス紹介に挿入するアイコンやイラストを探すとき
そんなとき、社内から「これ、AIで作れないの?」と言われること、ありませんか?費用が抑えられるし、早そうだから…そんな期待からくる提案かもしれません。
AI素材は便利ですが、実務でそのまま使うにはいくつか注意すべきポイントがあります。本記事では、担当者が現場で困らないために知っておきたいAI素材の落とし穴をまとめました。
社内から「AIで作ればいい」と言われたときの対応方法
まず大事なのは、否定から入らないことです。確かにAIは便利なのですが、必ずしもそのまま使えるとは限りません。
判断の基準は「用途」と「目的」です。例えば、公式サイトのメインビジュアルや顧客向けページは、信頼性や一貫性が求められるため、AIだけで完結させるのはリスクがあります。一方で社内資料やアイデア出しのための素材であれば、AIで十分活用できます。
AI生成の画像が向いている場合
- 社内資料のイメージ画像や、アイデア出しのためのラフ画など、公開しない素材。
- 信頼性よりもスピードや手軽さが求められる場面。
AI生成の画像に注意が必要な場合
- 公式サイトのメインビジュアルや、顧客向けのページなど、企業の信頼性が問われる場面。
- 会社のブランドイメージと一貫したクオリティが求められる場面。
「AIは便利だけど、完璧ではありません」
AIに文字入りの表やグラフを作成させたら、日本語がおかしかったり、数字に間違いがあったりする危険性があります。修正を依頼しても「この部分だけ直して」といった細かな調整は難しく、結局作り直す手間が発生することも少なくありません。
このようにAIは便利ですが、人間のように意図を汲み取ったり、細部まで正確に表現したりすることは苦手です。
「AIを使えば一瞬で終わる」と思われがちですが、実際には「AIを使いこなすための時間」が必要になるのです。
AIで作った画像をそのまま使って大丈夫?著作権の注意点
AI画像生成ツールは便利ですが、著作権や利用規約に関する注意点を理解しておかないと、企業としてリスクを負う可能性があります。特に重要な注意点を3つピックアップしました。
1. ツールの利用規約を必ず確認する
AIツールは次々と登場しており、それぞれ利用規約が異なります。まずは、代表的なツールについて最低限知っておきたいポイントをまとめました。
- Adobe Firefly:原則として商用利用が可能であり、生成された画像の著作権はユーザーに帰属する。
- Midjourney:商用利用をするには、有料プランへの加入が必須。無料利用は不可。
- Canva AI:一部機能に商用利用制限あり。
まずは「そのツールで作った画像を会社のWebサイトに載せて大丈夫か?」を確認しましょう。
2. 「ジブリ風」「ディズニー風」はNGと考える
最近の生成AIでは「ジブリ風」「ディズニー風」など、特定の作品やブランドを思わせるプロンプトを入れて画像を作るのが流行しています。しかし、こうした指示は商用利用の場では非常にリスクが高いと考えるべきです。
既存の著作物やキャラクターを模倣する行為は、著作権をうっかり侵害してしまうかもしれません。たとえ有名キャラクターがそのまま登場していなくても、見る人が「これはジブリっぽい」「ディズニーの絵柄にそっくり」と感じる時点で、トラブルの火種になります。
社内資料やアイデアスケッチ程度なら問題ないかもしれませんが、公式サイトや広告にそのまま使うのは危険です。パロディやオマージュといった表現の自由とは少し違い、商用で使う場合は『グレーではなく、アウトに近い』と考えておくことが大切です。
3. 責任はAIではなく利用者にある
AIが生成したから責任がない、ということはありません。
万が一クレームが来た場合、責任を負うのは 利用した企業や担当者 です。「AIが勝手に作った」は通用しないため、権利関係が不明確な素材は使わないのが鉄則です。
「AIで作ったから安心」ではなく、利用する責任は私たちにあるという意識を持つことが大切です。AIはあくまで補助ツールとして、正式な素材は権利が明確なものを選ぶ必要があります。
AIはアイデア出しや社内資料など、用途を限定すれば非常に強力なツールです。権利関係が明確な素材と賢く使い分けることで、メリットを最大限に活かすことができるでしょう。
写真が古いとサイトが古く見える?素材差し替えの目安
AI生成画像の導入を検討する前に、まずは現状の素材を見直すことも大切です。
古い写真やイラストは、サイトの印象を左右します。例えば、5年以上前の写真や時代感の強いデザインは、ユーザーに「サイトや会社が古い」と思わせる可能性があります。また、現在扱っていない商品や設備が写っている場合も注意が必要です。
更新優先度を整理しておくと、リニューアルや日々の更新作業がスムーズに進みます。担当者があらかじめ差し替えの目安をリスト化しておくと、素材管理の負担を減らすこともできます。
AI素材の品質とユーザー体験
AIで作成した画像は、見た目はきれいでも、実際のユーザー体験(UX)や使いやすさの面で課題が出ることがあります。
例えば:
- 色のコントラストが弱くて情報が見えにくい
- グラフや表の見やすさがイマイチ
- 自然に見えても、どこか違和感を感じる表現がある
こうした問題は、アクセシビリティだけでなく、誰にとっても見づらく、分かりにくくなる原因になります。場合によっては、ユーザーに不信感を与えてしまうことも。
だからこそ、AIで作った素材も普通の画像と同じようにチェックが必要です。便利だからといって丸投げせず、ユーザーにとってわかりやすく信頼できる体験を守ることが大切です。
まとめ:担当者としてできること
AIで生成した素材は確かに便利で、作業効率を上げたりアイデア出しに役立ったりします。ただし、万能なわけではありません。社内から「AIで作れないの?」と声があがったときには、頭ごなしに否定するのではなく、用途やリスク、実務上の注意点を整理して説明することが大切です。
ポイントを整理すると、次のとおりです。
- 信頼性が求められる場面では慎重に
- 社内資料や試作品の段階では十分に活用
公式サイトや広告のように信頼性が求められる場面では、AI素材だけに頼るのは危険です。一方で、社内資料や試作品の段階では十分に活用できます。つまり、AIを使う場面とそうでない場面を切り分ける「適材適所」の判断が、担当者に求められる役割です。
また、アクセシビリティの配慮や、古い写真・素材を更新するタイミングを意識することも重要です。AI素材をどう取り入れるかだけでなく、サイト全体の信頼性を維持し続けるための視点を持つことが、最終的に成果につながります。
特に社内風景やスタッフの表情など「企業らしさ」を伝える写真は、やはり実際に撮影したものに勝るものはありません。信頼性を高めたい場面では、カメラマンによる撮影を検討すると安心です。
弊社ではパートナーのカメラマンと連携し、Webサイトに最適な写真をご用意することも可能です。まずはお気軽にご相談ください。
Webサイトの構築や運用など、なんでもご相談ください!
Share

✏️ Remedia Blog 編集部
株式会社リメディアのコンテンツ編集部です。Web制作やマーケティングなど、Webに関する情報を発信しています。